多くの工場では、作業現場での油煙対策が今大きく重要視されています。それは、人体的悪影響や作業現場の環境問題など、色々な要素が要因に挙げられます。ここでは、作業現場における油煙対策に塗装ブースが必要な理由についてお届けします。
油煙対策が重要視されているワケとは?
旋盤やフライス盤など工作機械での金属加工では、切削油を潤滑・冷却目的で使用しています。切削油と言うのは、熱や機械的要因で微細化されてオイルミスト状となり、空中飛散するようになっています。近年、環境負荷低減が必須の時代となり、オイルミストでの作業環境悪化、加工品質の生産性の低下、工場周辺環境、CO2増加など環境負荷など、様々な事に悪影響が及ぶ問題として環境問題への対策が重要視されています。
金属加工での油煙問題とは?
金属加工でのオイルミストによる作業者、または、作業環境に対する問題には、様々な事例が挙げられます。人体に及ぼす影響では頭痛・肌荒れなどの健康障害、作業現場では油分流出での環境影響、床や壁への付着による転倒、火災の危険性、装置に関して言えば換気による冷暖房エネルギーの消耗、空調機等の設備故障など色々あります。
このように、オイルミストの発生と言うのは、製品の品質やコストにおいて生産性を低下させ、工場周辺の環境、CO2増加などの環境負荷にも影響するとして重要視されています。オイルミストの許容濃度に関して、作業環境での法的規制は特にありません。しかし、オイルミスト濃度管理の取り組みは、現在、強化されてきています。
最近の油煙対策方法と傾向とは?
現在、金属の切削・研削加工では、油剤のおよそ9割以上が水溶性です。理由は、水で希釈して使用する為、経済的で冷却効果が高い点が挙げられます。最近では、製造ラインの自動化や無人化が増え24時間稼働も増えており、火災の恐れが少なく安全性が高い所も水溶性油剤の使用理由に挙げられます。水溶性の油剤は、金属加工しやすい工程でよく使用されており油剤は水で希釈する為、水溶性油剤加工から発生するオイルミストは少ない傾向にあります。なので、フィルター式ミストコレクターは、水溶性油剤加工から発生するオイルミスト処理ではよく使用される機会が増えています。
しかし最近では、慣性集塵式が普及してきています。慣性集塵式はフィルター不要タイプなので、廃棄物が少ない特徴があり注目されています。慣性集塵は慣性力を利用する方式の機器で、技術的工夫を施した慣性集塵式ミストコレクターが登場しています。