クリーンルームの基本とは?
クリーンルームと言うのは、空気中のゴミ、埃、浮遊微生物など、あらゆるモノの混入を防ぐ為、一定清浄度レベルに管理された気密が保たれた部屋を言います。クリーンルームの空間では、必要に応じて作業に最適な環境条件も整えながら、室内を管理するのが基本となっています。
クリーンルームの特徴とは?
クリーンルームは、気密が保たれた室内に清浄空気を送り込んで、室内清浄度レベルを維持します。なので、クリーンルームへ外部空気が流入してくる事を防ぐ事ができます。しかし気密を保つ構造上、一度クリーンルームに持ち込んだり発生したりしたコンタミナントは、外部排出されにくい特徴もあります。なので、クリーンルームを運用する際には、スタッフのクリーンスーツ着用、エアシャワー使用、コンタミナントの室内侵入防止、持作業レイアウト工夫なども重要なポイントです。
クリーンルームの構造特徴とは?
①一方向流方式クリーンルーム
一方向流方式クリーンルームは、天井全体、また、壁一面に高性能フィルターを配置し、気流が部屋全体で一定方向に流れるようにします。気流に沿って押し出されながらコンタミナントが室外排出されるので、室内に残る事や留まりにくい構造が特徴です。クラス5以上の高清浄度形成が可能で、換気回数は約200回~300回以上/hとなっています。一方、イニシャルコストやランニングコストが割高になる事、クリーンゾーン拡張や移動が難しい事に留意が必要です。
②非一方向流方式クリーンルーム
非一方向流方式クリーンルームは、高性能フィルターを天井や一部の壁面に設置し、ダクト排気口は別の一部に設けられています。清浄な空気を供給しながら、室内で発生したコンタミナントを排出する構造が特徴です。コンタミナントを押し出しながらの排出するタイプでは無いので、クラス6~8と清掃度は少し低くはなります。しかし、一方向式クリーンルームよりもコストを抑える事ができます。非一方向流方式クリーンルームでは、清浄空気の吹き出し入れが混在するので、気流が滞留し気流渦が発生する場合がある事に留意が必要です。
このように、クリーンルームにもタイプによって特徴があるので、設置目的に沿ったクリーンルームの導入で、最適な環境を造る事がポイントです。クリーンルームの構造特徴を把握した上で、導入に最適な方を選んでいきましょう。